坂本龍一のエピソード

坂本龍一の生涯の際立った事柄坂本龍一がズボンのポケットに手を入れて少し上を見上げながら立っている

坂本龍一は幼少期から音楽に目覚め、26歳で細野晴臣と高橋幸宏とYMOを結成。電子音楽を駆使した斬新なサウンドで世界的な成功を収めました。その後、ソロ活動を開始し、映画音楽では35歳で日本人初のアカデミー賞を受賞しました。音楽以外に原発反対などの環境問題への取り組みを中心に政治／社会活動も熱心でした。

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YMOと映画音楽で大活躍1980年代のエピソード坂本はYMOでテクノミュージックの先駆者として世界的な成功を収めました。解散後は映画の『戦場のメリークリスマス』と『ラストエンペラー』の音楽を手がけました。前者は自身の代名詞ともいえる一番の代表曲となり、後者はアカデミー作曲賞を日本人として初めて受賞するという快挙を成し遂げました。CM曲で自身最大のヒット1990年代のエピソード坂本はYMOの再結成に加わりました。登録商標の問題からYMOの名義は使えず、バツ印（✕）を重ねたnot YMOとして活動しました。その後、日本の歌謡界でGEISHA GIRLSのラップミュージックや中谷美紀のポップミュージックに参加したり、実娘の坂本美雨の音楽活動にも関与していましたが、リゲインEB錠（三共）のテレビCMに使用されたピアノの『energy flow（『ウラBTTB』）』の大ヒットによって、一際、知られるようになりました。アメリカ同時多発テロ事件の経験2000年代のエピソード坂本は政治的な主張や活動が目立つようになります。2001年のアメリカ同時多発テロ事件をニューヨークで間近に経験したことが大きく影響したのかも知れません。本人はそれまでにない大変な恐怖感を受けたらしく、現地に暮らしながら次のテロ攻撃から逃げることや被害を防ぐことに必死だったことを述懐していました。原発反対のデモに積極参加2010年代のエピソード坂本は東日本大震災の支援を精力的に行いました。そして原子力事故は原発問題を考え直す切欠になり、原子力発電所の反対運動にも積極的に加わりました。反対デモの集会では「いってみればたかが電気です。たかが電気のためになぜ命を危険に晒されなければいけないのでしょうか。たかが電気のためにこの美しい日本、そして国の未来である子供の命を危険に晒すようなことをすべきではありません」と発言したことが「たかが電気発言」として取り上げられ、物議を醸しました。癌と二度の闘病生活2020年代のエピソード坂本は癌に罹患して一度は寛解したものの再発して闘病生活を送りながらもその合間を縫うように音楽や政治の両面で従来通りの活躍を見せました。2023年3月に死去しましたが、死因は公表されず、2020年から闘病していた直腸癌の進行によるものと推測されます。